県警は、山本容疑者と主治医だった塚本泰彦容疑者(54)=同=が、患者の腫瘍が実際には良性の肝血管腫だったと知りながらがんと虚偽の診断をしたため専門医を呼ばず、院内のスタッフだけで手術を行った可能性があるとみて詳しく調べる。
県によると、山本容疑者は手術の約7カ月後の平成19年1月に行った聞き取り調査の際、肝臓手術の経験について「10回以上ある」と回答した。しかし捜査関係者によると、実際に同病院で行われた肝臓手術は3回で、いずれも大学病院から呼んだ専門医が執刀。山本容疑者本人に執刀経験はなかった。また病院関係者によると、肝臓がんの疑いがあると診断された他の患者は、大学病院などの大きな病院に転院させていたという。
ところが死亡した患者については、腫瘍が肝静脈に近く高度な技術が求められる摘出手術だったにもかかわらず、転院処置もとらず、ともに肝臓手術の執刀経験がない山本、塚本両容疑者と看護師2人の計4人で手術を実施していた。
当時の病院職員が山本容疑者に「大学病院に転院させるなどしなくて大丈夫なのか」と尋ねると、山本容疑者は「大丈夫。簡単な手術や」などと答えたという。
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